最高の睡眠をとるために実践すべきこと

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「あなたは、今日しっかり寝れましたか?」

「寝つきが悪い」「睡眠不足」「寝ているはずなのに、疲れが取れない」

そんな答えの人は多いのではないだろうか。

『人生の1/3は睡眠』といっても過言ではない。

それなのに私たち現代人は満足に睡眠をとれていないのが現状である。

現代人は7.2時間は寝たいという願望はあるものの、実際の睡眠時間は6時間程度の人が多く、さらには6時間未満の人は4割を占めているという調査がある。

特に日本人は世界的に見ても睡眠時間が短く、睡眠自体を軽視している傾向があるようだ。

「睡眠負債」という言葉を知っているだろうか。

日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼす恐れのある状態のことである。

睡眠負債が溜まることで、生活や仕事の質が低下するだけでなく、肥満や生活習慣病のリスクが高まり寿命にも影響すると言われている。

この「睡眠負債」を増やすことなく、最高の睡眠をとるために実践すべきことを

西野精治さんの著書「スタンフォード式 最高の睡眠」をもとに紹介していこう。

睡眠の役割とは

脳と体の「休息」を与える

心臓や動きや呼吸、体温の維持など人間が生存するための活動をコントロールしている神経を自律神経と言い、その中には活動モードの「交感神経」、リラックスモードの「副交感神経」の2つが存在する。

「交感神経」:日中優位に働くことで、心拍数や体温上がり、体や脳の活動は活発になる。

「副交感神経」:夜間優位に働くことで、心臓の動きや呼吸数は緩やかになりリラックスモードになる。

「活動モード」から「リラックスモード」に切り替わるスイッチが睡眠であり、副交感神経が優位になることで脳や体に休息を与えることができる。

「記憶」の整理をする

睡眠により知り得た情報を脳の海馬から大脳皮質に移動させることで短期記憶から長期記憶へと変換し保存している。

また、その情報の中で「不要な情報」や「思い出したくない情報」は忘れるように働きかけている。

つまり、情報の「インプット」と「削除」を行うことで脳メモリの整理が行われている。

「ホルモンバランス」の調整

睡眠により食欲を抑制するホルモン「レプチン」が増加し、食欲を増すホルモン「グレリン」が減少することで肥満予防にもなる。

また筋肉や骨を強くして代謝を正常化する「グロースホルモン(成長ホルモン)」も睡眠中に多く分泌される。

さらに皮膚の新陳代謝にも影響を及ぼすため、ダイエットや美容に関しても睡眠の重要性がある。

その他にもホルモンは糖尿病や高血圧などの生活習慣病とも密接な関係があり健康被害から体を防ぐためにも必要である。

「免疫力」の向上

ホルモンバランスが崩れることで免疫も低下してしまう。

「風邪は寝て治す」と言われるように睡眠により免疫向上と休息が必要である。

万病を予防するためにも「寝る」に越したことはない。

脳の「老廃物」の除去

脳は「脳脊髄液」と呼ばれる保護液の中に浸かっている。

脳脊髄液は1日に4回程度入れ替わりを行い、脳に溜まった老廃物の除去を行っている。

脳の覚醒中に溜まってしまう老廃物を定期的に除去しているが最も効果的に除去を行える時間帯が睡眠中である。

脳の掃除が不十分で老廃物の蓄積してしまうと脳のダメージを負ってしまうアルツハイマーなどの脳の病気を引き起こす原因となってしまう。

睡眠の周期

「睡眠は量より質」にこだわる必要がある。

睡眠の周期(スリープサイクル)とは「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類の睡眠タイプが繰り返されることをいう。

ノンレム睡眠:脳も体も眠っている睡眠=深い眠り

レム睡眠:脳は起きているが、体は眠っている睡眠=浅い眠り

眠り始めは通常10分未満で入眠し「ノンレム睡眠」から始める。90分ほど深い眠りに入り、その後「ノンレム睡眠」がくる。

この「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の組み合わせを1周期(90~120分)とし、4周期繰り返されている。

ここで大切になるのが眠り始めの90分である。(最初の「ノンレム睡眠」=深い眠り」)

「黄金の90分」と言われ、たとえ長く寝たとしても最初の90分の睡眠の質が悪いと残りの質も総崩れになってしまう。

最高の睡眠法とは

どうすれば睡眠の質を上げることができるようになるのか。

キーワードとなるのが「脳」「体温」である。

まず人が眠くなる条件として「体温」が関係している。

体温は体内時計の働きによって1日の中で規則的に変化し、日中は活発に動けるように高く、夜はゆっくり休めるように低くなるようになっている。

体温は「深部体温」と「皮膚体温」の2種類がある。

 「深部体温」:日中高くて夜間低い

 「皮膚温度」:手足の温度で、日中低くて夜間高い

覚醒時は深部体温のほうが皮膚体温より2℃ほど高いが、入眠前は手足が温かくなることで熱放散が起こり、深部体温が下がってくることで眠気が生じるようになる。

つまり、眠くなる条件とは「深部体温」と「皮膚体温」の「差」が縮まることである。

赤ちゃんが眠くなってグズっている時、手足が温かくなっているのはこの現象である。

そして、もう一つのキーワードとして「脳」があげられるが、脳が興奮している時は体温も下がりにくいとされている。

いかに寝る前に「脳のスイッチをオフ」にするかが睡眠の質を左右する。

体温のスイッチ

「上げて、下げて、縮める」がポイント

入眠時には「皮膚温度」を上げて熱放散をうながし、「深部体温」を下げる。

つまり、皮膚温度と深部体温の差を縮めることで入眠を促す。

そこで、睡眠に最も効果的なのが「入浴」である。

入浴による皮膚の温度変化は「+0.8~1.2℃」

一方、40℃のお風呂に15分間入った後で深部体温は0.5℃上昇する。

深部体温は上がった分より大きく下がろうとする性質があり、0.5℃上がった「深部体温」がもとに戻るまで約90分を要し、それ以降も下がることで皮膚温度との差が縮まりスムーズな入眠ができるようになる。

ただし、早めに寝たい場合は浴槽に入るのはNG。

深部体温が上がりすぎて寝付けなくなってしまうので、そんな時は「シャワー」にしよう。

靴下をはいて寝ることもやめたほうが良い。

寝る直前まではくことで温めることはよいが、足からの熱放散を阻害してしまうため深部体温を下げにくくしてしまうためお勧めしない。

あと、筋トレなどの激しい運動も控えたほうが良い。深部体温も上がってしまうし、脳も活性化してしまう。

脳のスイッチ

寝る前の脳の状態も睡眠に大きく影響する。

悩み事があったり、寝る直前まで仕事をしていたり、ゲームやスマホで脳が興奮してしまうと入眠が困難になってしまう。

入眠をスムーズにするための大原則は「モノトナスの法則」

「モノトナス」とは、「単調な状態」という意味であり、単調な状況に置かれた脳はおのずと考えることをやめ、ひとりでに退屈して入眠モードになることである。

ゲームやスマホなどは夢中になってしまう危険性があり、脳を活性化させ交感神経優位になってしまう。頭を使わずにリラックスして楽しめるものがおススメである。

私は、寝る前の習慣としてスマホを控えて読書をするようにしている。

ミステリー小説などが好きだが、犯人を推測することに夢中になってしまうので寝る前は控えるようにしてビジネス書を読むようにしている。

人それぞれ生活スタイルが異なるため一概には言えないが、「睡眠前のルーティン」を守り「交感神経を刺激しない」生活リズムをいつも通りに行うことがポイントである。

まとめ

最高の睡眠とは、いかに「眠りはじめの90分」を深く眠れるかにかかっている。

そのためには、寝る前の90分前にお風呂に入ることで深部体温を上げ、寝る直前は脳が興奮しないようなルーティンを守っていくことが大切になる。

ぐっすり寝るためには日中の活動も重要になってくる。

つまり、「どう寝るか」は「どう起きているか」ということである。

私自身も朝起きたらまず朝日を浴びること、短い仮眠をとること、そしてお酒は正しく飲むことを重要視している。

朝日を浴びることで「覚醒のスイッチ」が入り、睡眠を促すホルモンの分泌にも影響を及ぼし、

15~30分程度の仮眠は日中のパフォーマンス低下を最小限に食い止めることができる。

また、お酒も適量であれば入眠を促してくれる作用があるため注意をしながら飲むようにしている。

その他にも本書には「ぐっすり寝るための覚醒戦略」についても紹介されている。

興味があり詳しく学びたい人は、マンガ版もあるためぜひ書籍を手にってこの睡眠メソッドに触れてほしい。

「睡眠は最強の味方であり、敵に回すと恐ろしい相手である」

最高の睡眠をとることで一人でも多くの方が「睡眠負債」がなく、「人生の2/3」を健康にそして豊かに過ごして欲しい。

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